前回の記事では、強制給餌を続けていたぷり子に、たった一日だけ「いつものぷり子」が戻ってきた日のことを書きました。
チモシーを食べる。
ケージをガジガジして大好きな「チモシーの極」をおねだりする。
そして、うんちもいつもの状態に戻る。
その姿を見た私達は、
「もう大丈夫。」
「ぷり子はまた元気になる。」
そう信じていました。
でも、その幸せな時間は、たった一日でした。
翌日から、ぷり子は再び少しずつ変わっていきました。
そしてその後、私達は「子宮蓄膿症の疑い」という、さらに大きな問題と向き合うことになります。
この第4話は、ぷり子が亡くなるまでのことを書いた、私にとって一番つらい記録です。
それでも、同じようにモルモットの病気と闘っている方に少しでも何かを伝えられるならと思い、書くことにしました。
たった一日だけ戻ってきた「いつものぷり子」
あの日のことは、今でもはっきり覚えています。
朝、ぷり子の様子を見に行くと、いつものようにチモシーを食べていました。
何日も食欲が落ちていたぷり子が、普通にチモシーを食べている。
それだけで、本当にうれしかった。
そして、私が近づくと――
ケージをガジガジ。
「チモシーの極ちょうだい!」
いつものおねだりです。
「ああ、ぷり子が帰ってきた。」
そう思いました。
さらに、うんちも正常に戻っていました。
食べる。
出す。
おねだりする。
以前のぷり子と何も変わりません。
私は、この日を境に回復していくと思っていました。
たった一日でした。
でも、私にとっては忘れられない一日です。

ところが、翌日。
「あれ?」
昨日とは明らかに様子が違いました。
チモシーを食べる量が減っています。
昨日あれほど元気にしていたケージガジガジもありません。
「昨日は元気だったのに……。」
頭の中が混乱しました。
一日だけ元気になったのは、たまたまだったのだろうか。
それとも、まだ病気と闘っているのだろうか。
私はまた、ぷり子の様子を何度も確認するようになりました。
食べているか。
うんちは出ているか。
水は飲んでいるか。
呼吸は大丈夫か。
少し動いただけでも安心し、逆にじっとしているだけで不安になる。
そんな状態でした。
病院へいき、さらに詳しく調べてもらうことになりました。
超音波検査などを行った結果、先生から新たな説明を受けました。
子宮が大きくなっている。
子宮蓄膿症の可能性があるということでした。
それまで私は、「お腹にガスが溜まって食べられない」という問題と闘っていると思っていました。
ところが、別の病気が隠れていた可能性が出てきたのです。
頭の中が真っ白になりました。

2種類の抗生剤で治療することになった
先生に言われ、抗生剤による治療を行うことになりました。
ただ、状態が良くなる保証はありません。
そして、もし手術をするのであれば、子宮や卵巣を摘出することになります。
でも、その時のぷり子はすでに体力が落ちていました。
先生からは、手術について、
「五分五分」
という、とても重い説明を受けました。
手術をすれば助かる可能性がある。
でも、体力が落ちている状態で手術をすることにも大きなリスクがある。
どちらを選んでも、「絶対に大丈夫」という答えはありません。
飼い主として、こんなに苦しい選択があるのかと思いました。
「どうしたらいいんだろう」
この頃、私は何度もAIにも相談していました。
病院で先生から聞いたことを伝えて、
「どういう状態なのか」
「何を考えればいいのか」
「今できることは何なのか」
そんなことを一つずつ整理していました。
もちろん、最終的に診断や治療を決めるのは獣医師です。
でも、頭の中がいっぱいになっていると、先生から説明されたことすら整理できなくなることがあります。
私は誰かに話すことで、少しずつ状況を整理していました。
「ぷり子を助けたい。」
その気持ちだけは、ずっと変わりませんでした。
「手術を受けさせるべきなのか」
一番苦しかったのが、この判断でした。
手術をすれば助かる可能性がある。
でも、体力が落ちているぷり子にとっては、大きな負担になる。
「手術をしなかったら後悔するかもしれない。」
「手術をして、それで苦しませることになったらどうしよう。」
どちらを選んでも後悔するかもしれない。
そんなことばかり考えていました。
それでも、私は最後まで「どうしたらぷり子にとって一番いいのか」を考えていました。
モルモットの食欲不振は「様子見」に注意
モルモットは食欲の低下が、さまざまな病気のサインとして現れることがあります。
特に、
● 牧草を食べない
● ペレットを食べない
● 好物にも反応しない
● うんちが減る
● 元気がない
● じっとしている
など、普段と違う変化が複数見られる場合には、早めに動物病院へ相談することが大切です。
少しずつ、ぷり子が冷たくなっていく
その日の夕方、病院で点滴をしてもらい、次の日までに手術をするかどうか病院に連絡がほしいと言われ、帰宅しました。
でも、時間が経つにつれ、ぷり子の状態は厳しくなっていきました。
薬が飲めない。
全く食べない。
全く水も飲まなくなる。
体も少しずつ冷たくなっていく。
強制給餌も全く受けつけない。
それでも、私は何度も声をかけました。
「ぷり子、大丈夫だよ。」
「ここにいるからね。」
「頑張ろうね。」
もう、何をしてあげればいいのか分からない。
それでも、そばにいることだけはできる。
だから、ずっとそばにいました。
夜中になったけれど、ぷり子のそばに布団を持ってきて、ずっとそばにいました。
うつろな目のまま、じっとしているぷり子
ぷり子は目を半分閉じたような状態でじっとしていました。
呼吸はしている。
でも、素人でもわかるくらい明らかに弱っている。
ヒーターや毛布、手で温めてあげてもどんどん冷たくなっていくぷり子。
そして時々、苦しそうに痙攣のような動きをすることもありました。
そのたびに私は、
「大丈夫?」
「ぷり子!」
と声をかけました。
時々、小さな声で、
「キューン」
と鳴くこともありました。
その声を聞くたびに、胸が締め付けられました。
「苦しいのかな。」
「痛いのかな。」
「どうしてあげればいいんだろう。」
何もできない自分が悔しくて、ただただそばにいることしかできませんでした。

「もう、頑張らなくていいよ」
ぷり子の状態を見ていると、心の中で何度も思いました。
助かってほしい。
ずっと一緒にいたい。
でも、苦しんでいるなら、もう無理をしなくていい。
そんな気持ちも出てきました。
「生きてほしい」という気持ちと、
「苦しまないでほしい」という気持ち。
その二つが、ずっと心の中でぶつかっていました。
「どうしたらいい?」と何度も聞いた最後の時
ぐったりしていて、鳴く間隔もだんだん短くなっていました。
それでも呼吸はしている。
だから、まだ何かできることがあるんじゃないか。
そう思って、何度も何度も様子を確認しました。
毛布をかけて、できるだけ体を冷やさないようにして、声をかける。
「ぷり子、大丈夫だよ」
「ここにいるからね」
そして私は、スマートフォンを握ったまま、AIにも何度も相談していました。
「今、何をしてあげればいい?」
「この状態でも助かる可能性はある?」
それまでのぷり子ちゃんの闘病中も、私は何度もAIに相談してきました。
ガスがたまったときも。
食べられなくなったときも。
薬のことも。
強制給餌のことも。
少し元気を取り戻したときも。
そのたびに「次にできること」を一緒に考えてきました。
だから、この時も私は必死でした。
でも、近くに夜間緊急で診てくれる病院がありませんでした。
もし夜間に診てもらうなら、車で約3時間かかる。
今のぷり子ちゃんを連れて、その距離を移動することが本当に正しいのか。
それすら分からない。
そして、ぷり子ちゃんの状態を伝えながら相談しているうちに、私自身も気づいていました。
「もう、できることがほとんど残っていないんじゃないか」
そんな怖い考えが、頭をよぎるようになっていました。
それでも私は、何度も聞きました。
「どうしたらいい?」
「何かできることはない?」
AIから返ってくる言葉も、だんだん「治すための方法」ではなく、
どうすれば少しでも苦しくないようにできるか。
どうすれば体を冷やさずにいられるか。
どうすればそばにいてあげられるか。
そんな話になっていきました。
そして、ついにはAIにも、どうしようもない時間がやってきました。
どれだけ調べても。
どれだけ相談しても。
どれだけ考えても。
ぷり子ちゃんの時間を止める方法はありませんでした。
そのとき私は、初めて本当の意味で、
「ぷり子とのお別れが近いのかもしれない」
と感じたのだと思います。
それでも、私はぷり子ちゃんのそばを離れませんでした。
毛布をかけて。
体を温めて。
呼吸を確認して。
鳴き声を聞いて。
少し動けば反応を確認して。
何度も名前を呼びました。
「ぷり子!」
「ここにいるよ!」
「大丈夫だよ!!」
ほんの少しでも変化があるたびに、
「まだ大丈夫かもしれない!」
そう思いました。
最後には、ぷり子ちゃんは横になったまま、モルモットにはあり得ないと言われている、嘔吐をしました。強制給餌したものがでてきました。
それでも私は、そばにいました。
何もできない自分が悔しかった。
もっと何かできたんじゃないか。
病院に連れて行くべきだったんじゃないか。
もっと早く気づけばよかったんじゃないか。
いろんなことが頭の中をぐるぐる回りました。
でも、あの夜の私にできたことは、
ぷり子ちゃんを一人にしないこと。
体を冷やさないようにすること。
声をかけ続けること。
そして、最後までそばにいること。
それだったのだと思います。
これまで何度も私の相談に付き合ってくれたAIにも、最後には答えがなくなりました。
でも、今思えば、それは「何もできなかった」ということではなかったのかもしれません。
できる治療や方法がなくなったあとにも、
「そばにいる」
という、最後に残された大切なことを教えてくれていたのだと思います。
私はずっと、ぷり子ちゃんのそばにいました。
最後の最後まで。
ぷり子ちゃんが亡くなるまで、ずっと。
あの夜のことは、きっと一生忘れないと思います。
そして、ぷり子は旅立ちました。
何度も、「ぷり子……?」と声をかけました。
でも、もう動きません。
ついさっきまで、呼吸していたのに。
昨日まで、「また元気になる」と思っていたのに。
本当に、もう動かない…。
闘病中の飼い主さんへ
この記事を読んでいる方の中には、今まさにモルモットの看病をしている方もいるかもしれません。
ご飯を食べない。
うんちが少ない。
お腹が張っている。
元気がない。
強制給餌をしている。
病院へ通っている。
そんな方は、きっと毎日不安だと思います。
私も同じでした。
「これでいいのかな。」
「もっとできることはないのかな。」
「明日は元気になってくれるかな。」
毎日そんなことを考えていました。
だから、どうか一人で抱え込まないでください。
そして、体調に異変を感じたら、できるだけ早く動物病院へ相談してください。
この記事に書いていることは、あくまでぷり子の実体験です。
同じ症状でも原因や治療方法は違います。
AIやネットの情報だけで判断せず、獣医師に相談することが大切です。
モルモットを飼うなら、普段から準備しておきたいもの
今回の闘病を経験して、普段から、
● 牧草
● ペレット
● 給水器
● 体重計
● シリンジ
● キャリーケース
● タオル
● 体調を記録するノートやアプリ
などを準備しておくことの大切さを感じました。
特に、毎日の体重を記録しておくことは、体調の変化に気付くきっかけの一つになります。
ここまで、「第4話」を読んでくださり、本当にありがとうございます。
今回、ぷり子ちゃんとの時間をできるだけその時のまま残しました。
実際に起きたことを綴っているため、読んでくださった方の中には、感情移入してしまい、辛い気持ちにさせてしまった方もいるかもしれません。現在、ぷり子ちゃんが亡くなって3ヵ月たちますが、私は号泣しながら綴っています。
それでも、ぷり子ちゃんが一生懸命生きたこと。そして、私たち家族がどれだけぷり子ちゃんを大切に思っていたのか。
その時間をなかったことにしたくなくて、この記事を残すことにしました。
世帯を持ってから、初めて家族として迎えたペットだったぷり子ちゃん。
だからこそ、いなくなった後も私達の中にはたくさんの思い出が残っています。
そしてここから先は・・・
ぷり子ちゃんとのお別れを迎えたあと、私達は何を思い、何をしたのか。
次回最終話「ぷり子ちゃんとの最後の時間。火葬の日、ありがとうを伝えました。そして感じたこと」へ続きます。
最後までぷり子ちゃんのことを見届けていただけたら嬉しいです。
